会社形態を選択する場合、法人は大規模な会社に最適な形態でしょう。ドイツでは資本会社には大きく分けて下の3つの形態があります。
法人は個人の出資者に権利と義務はなく、会社に委ねられます。会社が契約を結び、財産を所有し、税金を納めます。
責任範囲は法人の株式資本を含む会社資産に限定されます。最低限の株式資本が定められており、帳簿作成義務の範囲もパートナーシップ会社より広くなります。
有限会社は資本会社の中でもドイツで最も好まれる形態です。高い柔軟性に対して義務事項が比較的少ないのが特徴で、設立の手続きも簡単です。2008年11月1日よりGmbH改革法が発効しました。この改革法の大きな特徴はミニ・GmbH(有限責任株式会社)の設立が可能になったことです。
a. 設立手続き
GmbHは出資者間の契約によって設立されます。設立までの手続きが簡略化され、近代的なシステムが整備されたこの新しいシステムは、新しい会社形態を供給します。(設立の際は3人の出資人と1人の経営者の署名のみで適用されます。)原則的にこの新しい法律は、ドイツでの行政認可が必要であるという点では変わっていません。ただ、この改革された法律の条項では、商業登記にかかる費用も軽減されました。さらにドイツ商工会議所が支援までのプロセスを支援します。
有限会社の設立はたった数回のステップがあるだけです。理想的な有限会社設立の準備期間は2週間から3週間である。

b. 認証には商業登記が必要です。経営者全員が公証人の立会いのもとで商業登記に署名します。公証人によるは署名を認証し、経営者へ義務通告をして、契約書を公証します。
GmbHの設立に必要な最低資本金は現在25000ユーロで、現物出資も可能です。ただし届出の時点で最低資本額の12500ユーロの払い込みが証明されれば十分です。GmbHの出資者が一人の場合は、この出資者が最低資金の未払い分の担保を用意します。
GmbHの設立をめぐる手数料は通常750-1000ユーロ、それに弁護士に定款の作成を依頼した場合には法律相談料が加算されます。
GmbH設立のための手続きは、最善で2-3週間要します。
c. 経営
GmbHの経営および法的な代表は社長 (Geschäftsführer) に委ねられます。最低一人の社長が必要ですが、この社長は出資者である必要はなく、在住地がドイツである必要もありません。出資者は社長に経営上の命令を下すことで、経営に直接影響を及ぼします。
d. GmbH と自由業者
GmbHは自由業者にとっても有利な場合があります。建築家、技師、税理士、公認会計士、弁護士および医師はGmbHの形態で営業することが認められています。
自由業者によるGmbH設立に関する規定は各職業会議所によるもので、事業目的のGmbH設立のための免許や認可取得には商業登記が不可欠です。
GmbH法改革によって新たに有限責任株式会社、ミニGmbH(Unternehmergesellschaft, (haftungsbeschränkt),UG)と呼ばれる新しい会社形態が設置されました。
このミニGmbHは法的に新しい会社形態というわけではありませんが、GmbH設立の際の最低資本金が25,000ユーロ、さらに現金での資本金も必要とされ、これは1ユーロからでの会社設立が可能ということを意味します。
設立後、毎年少なくとも利益の4分の1以上を積み立て、資本金を25,000ユーロにする必要があります。資本金の額が2万5,000ユーロに達すると、起業家は法人格を従来からある「GmbH」に変更できますが、ただしGmbHへの変更は必ずしも必要ではなく、「UG」という法人格を保つことも可能です。
株式会社 (Aktiengesellschaft,AG) には下記の二つの長所があります。
Ⅰ. 会社株式の譲渡が容易
Ⅱ. 証券取引所に上場できるため、市場の関心が高まりまた増資が容易
また取引先に高く評価されますが、設立の準備に時間と費用がかかり、経営には広範囲に渡りさまざまな義務が課せられています。
株式会社の設立
基本的には誰でも株式会社を設立することができます。公証人による定款の公証が必要です。また設立には資本金が最低50000ユーロ必要です。
株式会社は商業登記が義務付けられ、設立出資者、取締役員、監査役員が公証人の立会いの下で署名します。さらに株式会社は当該地の事業担当局への登録が必要です。
出資者はまず、監査役員会 (Aufsichtsrat) と取締役員会 (Vorstand) を任命し、公証人による認証が必要です。出資者は会社設立の詳細を記した報告書を準備し、役員会で審議します。
株式会社は取締役員会によって運営され、監査役会と出資者は取締役員会に直接影響を及ぼせません。
株式合資会社 (KGaA) は有限会社(AG)と合資会社(KG)を組み合わせた会社形態です。
最低ひとりの無限責任社員が負債と権利の責任を負います。
株式合資会社 (KGaA) は株式会社の一種ですが、無限責任社員と有限責任の機能を組み合わせた形態です。
株式合資会社 (KGaA)の株主数に制限はなく(有限株主)、株主は申し込んだ投資額の支払いで責任遂行が完了します。KGaAは地元の商工会議所に商業登録が義務付けられてます。株式合資会社 KGaAの形態はドイツではあまり使われていません。
合資会社とは異なり、パートナーシップは資金ではなく、パートナーの集まりであることが主な特徴です。仕事の成功が共同体に貢献するため、個人の参与意識が高まります。パートナーシップは最低ふたりから構成されます。
最低資本金は設定されず、合資会社に比べて会計や公開に関する義務も限定されています。
民法上の組合(GbR Gesellschaft bürgerlichen Rechts)は、数名で共同して事業アイデアを実現するために設立されます。
この形態の会社は設立に2 人以上の出資者が必要なため、人的会社に分類されますこの形態は小規模会社や新興会社に適しています。出資者は、会社の債務に対して個人財産も担保とする無限責任を負います
GbRは小規模会社として運営され、年間売上が250.000ユーロ、利益が25,000ユーロを超えた場合は、登記済み商人として商業登記が必要になります。したがって商業登記が必要になる規模の会社は自動的に合名会社(Offene Handelsgesellschaft, oHG)とみなされます。
GbRの設立時に定款書を作成しておくことが奨励されますが、設立要件ではありません。GbRが小規模に商業を営む場合は、該当地の事業担当局への登録が必要です。
その他に関してはGbR設立に関する登録義務や費用はありません。
合名会社(oHG)は、中規模から比較的大規模な会社の伝統的な形態です。前出の民法上の組合GbRと共通点があり、一定規模以上の商業活動を営むGbRは自動的に合名会社(oHG)とみなされます。
OHG は、事業担当局への届け出および商業登記が義務付けられています
合名会社(oHG)の負債に対して出資者は総合的な責任を負い、責任範囲は民法上の組合GbRより広域になります。
合名会社(oHG)の設立には一人、あるいは二人の出資者が連名で契約を合意しますが、この場合書式の書類の作成することを奨励します。
合名会社(oHG)は事業担当局への商業登記が必要です。商業登記はすべての出資者が公証人の立会いの下で署名し、公証され保管されます。手数料はまちまちですが、約400ユーロです。
合資会社(KG) は、OHGとよく似た会社形態ですが、一部の出資者には有限責任を適用することができます。中規模会社で出資を募る代わりに、個人の債務責任を限定したい場合に適しています。
合資会社(KG)は二人あるいはそれ以上の出資者で設立され、その中の最低一人が無限責任社員になります。書式による出資をめぐる合意書の作成を奨励します。
合資会社(KG)では無限責任社員(Komplementär)が最低一人必要です。有限責任社員(Kommanditisten)の責任範囲は出資額に限定されます。
合資会社(KG)は事業担当局での商業登記が必要です。有限責任社員の責任限定は、KGとしての商業登録が終了した時点で有効になります。商業登記はすべての出資が公証人の立会いの下で署名して、公証されます。手続き費用はまちまちですが、一般には約400ユーロです。
KG の最大の利点は、有限社員を増やすことにより、比較的容易に資本金を増大することができるという柔軟性です。
パートナーシップ会社 (PartG)は複数の自由業者がその職業行為を共同で行なうための会社形態です。したがって、資本だけの参加は認められていません。この形態は自由業の同業者や異業者がお互いに利益を共有することができます。
会H作法は自由業者に合わせて効果的で柔軟に運用されます。パートナー各自の責任は、他のパートナーに責任がある職業上の誤りに関しては、免除されています。
パートナーシップ会社は少なくともパートナー2名による書式の契約が必要です。パートナーの資格があるのは自然人のみです。パートナーシップ会社は管轄区裁判所に公正証書を提出してパートナーシップ登録をします。手続き費用はパートナー数によって異なりますが、400ユーロがおおまかな目安です。
有限合資会社は合資会社の一種で、無限責任社員(Komplementär)が有限会社として、有限合資会社の負債責任を負いますが、責任限度は払込資金額までと見なされます。
このハイブリッド型は事業者が責任範囲を限定しながら、非有限会社の柔軟性を享受できます。柔軟性が特色なため有限合資会社は特に中規模会社や同族経営の会社形態に適しています。
有限合資会社は無限責任パートナーと有限責任パートナー間の契約で成立します。有限会社と合資会社の投資者は同一になります。
有限合資会社は担当区の商業登記と商工会議所への加入が必要です。商業登記により、有限責任パートナーの責任が限定されます。
商業登記はパートナー全員の連名で登録し、公証人による認証が必要です。手続き費用は異なりますが、400ユーロがおおまかな目安です。
ドイツ国外に本社を置く外国企業はドイツ支社を設立できます。特に外国企業にとって支社設立は、ドイツでの事業発足または取引先との関係保持の目的に、あるいは長期投資の先行きが不透明の場合の選択肢になります。
支社に関して特別な法的な人事の規定はなく、本社業務の一部として法的には本社の管轄下に置かれます。事業形態は外国籍の会社となり、法的な責任範囲は本社の会社形態によって異なります。
支社形態には下記の二種類があります。
独立支社(Selbstständige Zweigniederlassung)は本社に対して独自の経営と発言権、独自の銀行口座や会計あるいは資産を享受できます。外国人で商業登記を済ませた登記済み商人が独立支社を設立できます。
独立支社の設立に関しては親会社の経営陣によって決定されます。設立にあっては商業登記が必要です。
商業登記では外国企業に関する詳しい情報や定款の公認翻訳の提出、さらに自国での商業登記の証明が必要です。
独立支社の商業登記は公証人の立会いのもとに提出します。
非独立支社は、親会社に対して独立性がなく、商業登記も必要ありません。この場合の唯一の手続きは(海外企業も同様に)、事業担当局への登録です。
市場の動向を観察や主要取引先との関係温存などの目的で、代表事務所が設置されますが、「代表事務所」という表現はドイツの商法には記載されていません。しかし、このような代表事務所は事業活動の選択肢になります。設立には支社としての手続きが必要です。
ただし、例えば特約広告代理店などの自営業者による経営で、外国での独立した活動を行わない場合なども考えられます。このような特殊の場合は、事業担当局への登録は必要ありません。
即刻に事業を開始しようとする人には一人会社(Einzelunternehmer)の設立をお薦めします。
定款の作成や最低資本金などの義務がなく、会社設立の最も簡単な方法です。一人会社は自然人ひとりによって設立され、小規模の事業や立ち上げ期に適しています。
ひとり会社で商業を営む場合は事業担当局に登録する必要がありますが、登記済み商人の登録は(eingetragener Kaufmann, e.K.)は年間売上が25万ユーロ、年間利益が2万5000ユーロを越えた場合に必要です。
小規模商業営業者の基準は多様で、事業に携わる時間や労力などの要因、あるいは事業を総括して判断します。ガイドラインとして年間売上250000ユーロ、利益25000ユーロを超えると、小規模事業者とはみなされません。小規模事業者の開業手続きは事業担当局への届けだけです。
商業活動が年間売上250000ユーロ、利益25000ユーロを超える場合は、商業登記が必要になります。この場合は事業者は商人(Kaufmann)になります。
商人はドイツ商法典に準じて特別な権利と義務が適応されます。例えば、商人は事前の合意なしで通常の市場価格を請求ができ、書面上の保証は必要ない。さらに、他の商人との交渉では納品時に欠陥に関する説明を添えることが義務付けられています。